焚き火 diary

火と向かい合う。自分が見えてくる。

里山の道

会社からの帰り道、自宅のすぐ前まで来て、目の前の道路を何かがゆっくり横切ったので慌てて車のブレーキを踏みました。

人?

え?

四つ足??

それは立派な角を持ったオスのニホンジカ。 道を渡り切ったところで逃げることもなくじっとこちらを見つめています。

こっちに突進してこられたら、車のほうが間違いなく大破する! わたし死んじゃう!

・・・一瞬のことだったと思います。 やがてシカは何事もなかったかのように雑木林の中に消えていきました。

 

私の通る道にシカが迷い込んだのか。

シカの通る道に私が出くわしたのか。

 

自然が豊かなここ北杜市ではシカに出会うことはそう珍しいことではありません。 シカ以外にもフクロウやらヤマネやら、野生動物が民家のすぐそばで息づいています。 これこそ里山。 良くも悪くも人と野生動物との接点が多い場所です。 驚きの出会いに感動することもありますが、彼らの突然の出現にヒヤッとすることも少なくありません。 

 

今日出会ったオスジカはとても大きくて立派でした。 車で急に飛び出してきた私に、彼はとても驚いたに違いありません。 ただ、どんなに大きくてもたぶんシカのほうからこちらに向かってくることはないでしょう。 でも何だか今日は、私のほうが不用意に彼の領域に踏み込んでしまったような、申し訳ない気持ちになりました。

里山の道ではこのような想定外の出会いがとても多いのです。 出会わないのがたぶんお互いにとって一番平和。 でももし出会ってしまったなら、干渉せず距離を保ったまま何事もなく行き過ぎることが、最善なのかもしれませんね。