焚き火 diary

火と向かい合う。自分が見えてくる。

雨に包まれて鳥の声を聴く

雨の降る中、森に入りました。

まわりの木々の枝葉に雨粒の当たる音があちこちから聞こえてきます。 耳のすぐそばで傘を打つ水音もします。 落ち葉を踏みしめて歩いていた足をふと止めてじっとまわりの音に耳を澄ますと、自分の周りに雨のカーテンが張られたような、自分だけが雨に包まれているような錯覚に陥ります。

ふと、雨音の向こうにカラの混群の声が聞こえました。 シジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラの混群のようです。 すぐそばの木の茂みに姿が見えているのに、まるで遠く空のかなたからかすかに聞こえてくるような、密やかな響き。 不思議な感覚。

 

今日は職場の早朝探鳥会でした。 雨の降る中、必死で耳を澄ますのですが、まわりから聞こえてくる雨の音にかき消されて、鳥の鳴き声なんてほとんど聞こえてきません。 それでも最後には、雨音の中になんとかカラの声を聴き分けることができました。 

雨の中で鳥の声を聴くこと。 聴こうと耳をそばだてること。

車で移動する生活になったためか雨の中に身を置くということが少なくなり、アンテナの感度が鈍ったのかもしれません。 生きていくのに必要不可欠な力ではないですが、豊かな気持ちで生きていくためには必要な『感性』の一つのように思います。