家の中の片づけをしていたら、たくさんの手紙の束が出てきました。 几帳面な宛名の文字に、私は見覚えがありました。 それは、父が若き頃、母に送ったラブレター。
どの手紙も、母への愛が溢れ、優しい言葉がたくさん綴られていました。
厳格で強面だった父からは、ちょっと想像できないような、ロマンチックなラブレターの数々。
同じ女性として、こんな手紙をもらった母はすごく幸せだったろうな。 体が弱くて神経質な性格だった母を、いつも穏やかに愛した父。 自分の父親ではありますが、一人の男性としても、私にとっては誇れる人でした。
そのことが、素直にうれしい。